竹田先生曰く、間接販売は、一定のマージンを払えば、卸会社が長年かかって築いてきた販売ネットををすぐに利用できる。小売店を一店一店開拓し、商品を一店一店配送するコストを考えると、マージンを払ってでも卸会社の販売網を利用したほうが有利になる場合もなる。
占有率の高い強者は市場における力が強いので、メーカーの方針を卸も小売店も守ってくれる。大手メーカーは価格決定権を持っているので、卸と小売り店のマージン率をメーカーが決めて値引きさせないようにできるが、弱者はそうはいかない。
■これは営業における卸の活用で、弱者は弱い立場になることを説明しているが、生産でも同じことが起きる。ファブレス企業として生産を他社に委託する際にも、発注ロットが少ない弱者は生産会社の条件によっては不利になることがある。その生産会社を複数社持てるなら交渉力も上がるが、生産できる会社が限定されるにしたがって、条件交渉が不利になる。原材料の高騰により仕入れ価格を上げられたり、生産効率のアップのためにロット数をいきなり上げてくることもある。仕入れる立場としては、生産は分散できるように、卸や小売店に売る時には自社しか販売できない商品にするように、という立場を目指す。