竹田先生曰く、小さな会社の業績は、強い会社との差別化の成功度合いによって決まるので、小さな会社の社長はいつも差別化の研究をするべきだ。しかし、いいアイディアを思いついていても、強い会社が事前に知り、先に手を打てば、差別化は成功しない。こうならないために、戦略上の情報を有力な競争相手に流さないようにしなければならない。この原則は外回りをする販売係にも説明しておく必要がある。
■健康食品の業界
通販王国の福岡で有名な健康食品会社を創業していた経営者は、東京など大都市では絶対に宣伝をせずに、地方などで細かい商圏から巨額の売り上げをあげていました。その後、会社をバイアウトしましたが、買取った会社が行ったのが、東京を含めた全国での大規模なテレビCMでした。東京にテレビCMが流れるということは、大企業の本社に儲かっていることがバレてしまうということです。案の定、続々と大企業が健康食品部門を作り、通販事業に乗り出しました。おかげで健康食品事業は怪しくないという認識が広まりましたが、過当競争になり、大企業・大資本が有利な市場になってしまいました。
「銀行に相談しても怪しい業界、とみられるくらいがちょうど良かった」
「地方でこっそり儲かってたのに、バレてダメになることしてるな」
そんな感想を件の経営者が話してた記憶があります(記憶違いだったらごめんなさい)。