商品の用途を差別化する(商品戦略)

差別化

竹田先生曰く、お客は単に物や素材を買うのではなく、商品の価値や手に入れたことで生じる、効用や利便性、満足感を買っている。ところが、お客から見た商品の価値や効用は一定不変ではなく、普及率が上昇するにつれ、用途の幅が広がり変化していく。自動車で言えば、小型、中型、大型と分化し、さらに普及率が高くなり、車を何台も買い替えるようになると、中にはあまり見かけない車や、スポーツカーや高級外車を持ちたがる人も出てくる。これを自尊欲求型商品と呼ぶ。この段階になると、差別化の自由度が最も高くなる。

■自社の商品がないデメリットは?

自社商品の良い点を考えると、素材・機能・作り手の想いなど自社目線の説明が多くなるケースがあります。そこで、お客が自社の商品を手に入れなかった時のデメリットを考えてみてはどうでしょうか。

高級ホテルのラウンジのコーヒーは1杯1000円以上しますが、人と待ち合わせしたり軽く打ち合わせするときに会議室を借りるより安くて便利です。コンビニの100円コーヒーと商品は変わりませんが、デメリットから考えると商品の価値を具体的にイメージできます。

豊洲で海外からの観光客相手に海鮮ドンブリ1杯7000円など高い飲食店がありますが、もしなかったら、高齢の両親や子供を連れて、慣れない日本のタクシーを借りて右往左往する時間と費用が無駄になります。

このように、自社商品がない時のお客のデメリットから考えると、商品の機能や素材や想いなど自社目線ではなく、お客目線で商品価値を再考することが出来き、自然と差別化も進むと思います。