竹田曰く、社長が出す経営方針が正しく、かつレベルの高い経営計画書と実行計画書が完備されていれば、普通の人でも目標通り達成することができる。さらに、それを何度か体験すると、同じような仕事であれば、今度は各人で計画が立てられるようにもなる。良い社長とは、平凡な人を使い、非凡な実績を引き出す人だ。これに対してダメな社長は、おのれの実力のなさを棚上げして、非凡な能力を持った従業員が入社するのをただ、夢見ているだけだ。
■会社をある程度大きくするには、仕事を標準化して、普通の従業員でもできるようにしなければならない。その必勝パターンを社長が作る。非凡な従業員が実績をだす場合には、辞められると元の木阿弥の可能性が高いということ。むしろ弱点を従業員に握られることになる。飲食店や旅館で料理長に現場を握られすぎて、総上がり、という脅しをかけられることもある。酒造りでも杜氏の言いなりになってしまうこともある。杜氏制をやめて、普通の従業員が酒造りを出来るようにシステムにする酒造メーカーもある。兵庫県産山田錦を兵庫県外で初めて使うことができた石川県の菊姫合資会社も杜氏制をやめて従業員が酒造りができるようにした事例だ。